心臓の異常を知らせる「心雑音」

一方、心臓の音は異常が見つかることがあります。

心臓には、血液の流れが逆流しないための「ストッパー」の役割を果たしている「弁」という場所が存在します。

そして、この弁が硬くなったり、うまく閉まらずにストッパーの機能を果たせなくなったりすると、血液の逆流する音や、硬く狭くなった部分を血液が通る時のシュコー、シュコーという音が聞こえるようになることがあります。

これを医学用語で「心雑音」と呼びます。

聴診でこの心雑音が見つかり、心臓の超音波検査をしてみると弁の異常がわかり、そのまま手術につながる場合もあるのです。

心雑音が見つかることも多くはないのですが、聴診では医師はこんな情報を確認しているのですね。

ただし、この心臓の聴診は非常にテクニックが必要で、わずかな異常でも聴き取ることができる巧みな技術を持った医師から、明らかな音の変化がないと気づかない医師まで千差万別です。

今は聴診器の機能も良くなっているので、道具による部分もあるでしょう。

どうしても今は聴診の技術よりも、手術などの治療の技術の腕を磨くことが重視されていますし、聴診が卓越した医師は減ってきていると思います。

逆にデジタル化が進み、今後はAI(人工知能)が心音を判別できるようになる時代が到来するかもしれませんね。