この記事の目次
〈症状〉典型的な症状はなく、人によってまちまち 〈原因〉甲状腺を敵とみなし攻撃してしまう
〈治療〉3つの治療法で寛解を目指す
〈予防〉生活リズムを崩さず食べすぎにも注意を

〈治療〉3つの治療法で寛解を目指す

甲状腺疾患の診断に欠かせないのが、「血液検査」と「超音波(エコー)検査」です。前述の症状に気づいたら、病院で検査を受けてください。主な治療方法は「薬物療法」「手術」「アイソトープ(放射性ヨウ素内用)」の3つ。日本や欧州では薬物療法から始めるのが一般的です。

薬物療法は、甲状腺ホルモンを抑える「抗甲状腺薬」を毎日服用するもの。最初は症状に対し十分な量を服用し、甲状腺機能の高まりを抑えます。症状や血液検査の数値が良くなったら、徐々に薬の量を減らしていく。数値が正常になり、薬をやめて1年以上再発がなければ「寛解(症状が落ち着き安定した状態)」と考えられます。甲状腺機能が正常になればスポーツ、仕事は可能です。また、内服量が減っていき病気の勢いが落ち着いていけば、妊娠、出産も可能です。さらに寛解状態になっていればより安心です。ただ治療開始から5年経っても、薬から離脱できないケースが半数近くあるのが現状です。

この場合は手術かアイソトープ療法に治療を切り替えます。手術は大きくなった甲状腺を全切除するもので、最も古くから行われている治療です。術後は甲状腺ホルモン薬を生涯服用します。アイソトープ療法は放射性ヨウ素の入ったカプセルを飲むだけ。甲状腺はヨウ素を材料に甲状腺ホルモンを作る性質があるのですが、放射性ヨウ素は甲状腺の細胞を攻撃し、ホルモン分泌を減らします。妊娠・出産を希望されている方や小児(18歳以下)を除き、行うことができる治療法です。

 

バセドウ病の3つの治療法