上沼 売れてからも、お姉ちゃんと私はむちゃくちゃ仲がよかったから、新大阪の高級マンションで一緒に暮らしてた。
芦川 忙しくて、帰宅するのは毎晩深夜。
上沼 夜中の2時くらいに、よくお寿司屋さんからてっちり(フグ鍋)の出前を頼んでた。しょっちゅう頼みすぎて、電話で「海原です」って言うだけで、「はい~、できてます」って言われたね。
芦川 出前でしか食べてないから、お店がどこにあったのか知らんわ。
上沼 そのくらい忙しかったってことよ。あの頃、お姉ちゃんがギャラの管理をしてたんよね。この間、昔、コマーシャルに出た時になんぼもらってたか聞いたら、300万円て。びっくりしたわ。
芦川 そう? 手取りで300万円だから、本当はもっと高いのよ。
上沼 当時は現金払いだったから、そのお金をお姉ちゃんが夜中に畳の上に1枚ずつ並べてた。
芦川 何畳分になるのか、やってみたくて。
上沼 引退前は、コンビでレギュラーが13本くらいあったよね。
芦川 若かったから、頑張れたんだと思う。
上沼 てっちりのおかげやね。それで20歳になる頃に、関西テレビの『日曜ドキドキパンチ』っていう番組で、私は今の夫に出会ったわけ。胸のあたりが、雑巾絞られたみたいにキュッとなったのよ。お姉ちゃんもお義兄さんに会った時になった?
芦川 なった気がするわ。それで、2人とも1977年に結婚したのよね。
上沼 「売れてるのにもったいない。よく辞めるね」って、周りからは言われて。
芦川 芸人仲間は、口揃えて言うたね。でも、2人とも早く結婚したかったから。忙しすぎたしね。