そんな短大生活も後半、就職が無事決まった頃、中学時代以来の親友から、ディスコへ行こうと誘いを受けた。行ってみたい!けれど夜通しなんて、親が何て言うか……。絶対許してくれない気がする。

「私とずっと一緒と言えば大丈夫じゃない?まずは聞いてみなよ。香奈も絶対気に入ると思うから、連れて行ってあげたいのよ」

そう言われると、ますます行きたくなる。その日の夜、母親におそるおそる聞いてみた。

「ディスコに行きたいの。いいかな?親友と一緒だし」
「ダメに決まっているでしょ。どうしても行くなら、ママは知らないからね!」

その後も何回か説得してみたが、許してもらえない。どうしても行きたかった私は、約束の日、母の許しを得ず強行突破することに。心にわだかまりを残したままだったが、六本木駅に降り立ち、ディスコのドアをくぐると、鬱々とした気持ちはすべて吹き飛んだ。