臓器の数値はよくなってもトータルでは不健康

そもそも、高齢になると、検査数値に多少の「異常」が出るのは当たり前のことです。

検査結果一覧表の上から下まで異常値が並んでいても、80代まで生きたということは、それで十分健康だったということなのです。

高齢になると、検査数値に多少の「異常」が出るのは当たり前のことです(写真提供:Photo AC)

それなのに、一臓器の数値にこだわり、その上げ下げを目標にして生活すると、かえってトータルでみた健康状態をおかしくしてしまいます。

たとえば、高血圧と判定され、減塩食を食べるようになって、検査数値が多少よくなったとしましょう。

しかし、毎日、美味しいとはいえない減塩食を食べ、「食」という楽しみを奪われると、体全体の免疫力を落とす可能性が高まります。

むろん、心理面にもネガティブに働きます。

私は、「ひとつの臓器の数値はよくなったが、トータルでは不健康になった」というケースを、嫌というほど見てきました。

検査数値の正常化のみにこだわって、暗い生活を送らないように注意されたほうがいいと思います。