「臓器別」の健診は病人を製造するシステム

この調査結果は、欧米の医療界に衝撃を与え、現在、欧米には、健康診断を国家的な医療・健康政策として採用している国は見当たりません。

とりわけ、毎年、同じことを健診で調べ続けている国は、世界に日本と韓国くらいしかないのです。

『80歳の壁[実践篇] 幸齢者で生きぬく80の工夫』(著:和田秀樹/幻冬舎)

現在、わが国では、「臓器別」の健診が行われていますが、私はそれを「病人を製造するシステム」と見ています。

根拠薄弱な「正常値」を設けたうえ、その数字から逸脱すると「病気」と判定します。

そして「病気」と判定された人は、飲まなくていい薬を投与され、しなくてもいい手術をされ、健康寿命を縮めているのが現状というのが、私の見方です。