妻には頭が上がらない

ストーリーも身につまされる思いがしましたね。老いの問題、家庭の問題、親の介護の問題など、50、60代になると誰にでも迫りくる様々な問題が、この作品では目の前に突きつけられてきます。

主人公の末永も、妻とは冷え切った関係で、一人娘からも愛想をつかされている。いやいや、他人事じゃないですよ。(笑)

妻と結婚したのは29歳のとき。ちょうど俳優として転機を迎えていた時期でした。当時の僕はふわふわして地に足がついておらず、俳優という仕事がよくわかっていなかったんでしょうね。結婚当初から30代の半ばまでは仕事が激減し、鳴かず飛ばずの時期でした。それでもこの仕事を続けてこられたのは、妻が支えてくれたおかげです。今でも妻に頭が上がらないのは、あのときの何年間があったからですよ。

仕事に関する相談は、妻にはほとんどしませんけど、僕が出ているドラマは見てくれています。ただ、血が出たり、人が殺されるシーンが妻は苦手なので、ダークな作品は避けて、ほんわかした楽しいものや僕がふざけたキャラクターを演じている作品をもっぱら見ているみたいです。