驚くべきNHKの調査結果

しかし最近では、「爪痕を残す」を「印象づける」「成果をあげる」といった良い意味で使う人もいます。

「この大会で爪痕を残して、自分をアピールしたい」「今回の出演で、爪痕を残すことができた」といった発言を、スポーツ選手や芸能人がするのを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

『NHKが悩む日本語 放送現場でよくある ことばの疑問』(著:NHK放送文化研究所/幻冬舎)

このような「爪痕を残す」の使い方について、一般の人たちがどう感じているか、NHKで調査しました。

すばらしい演技をした場合に、「今回の出演で爪痕を残すことができた」と表現することについて、どう思うか聞いたところ、「おかしい」と答えた人が全体の40%、「おかしくない」が37%、「どちらともいえない」「わからない」が、あわせて23%でした。

これを年代別で見てみると、20代では「おかしい」が18%と割合が低く、「おかしくない」が62%だったのに対して、50代では「おかしい」が49%、「おかしくない」が33%でした。