「夫婦別姓にすると家族が崩壊するなどと言う政治家もいますが、そんなことくらいで崩壊する家族なら、姓が同じでも崩壊するだろうと思います。(笑)」(大塚さん)

本郷 確かに選択的夫婦別姓の法整備は、一刻も早くやるべきでしょうね。

大塚 夫婦別姓にすると家族が崩壊するなどと言う政治家もいますが、そんなことくらいで崩壊する家族なら、姓が同じでも崩壊するだろうと思います。(笑)

本郷 最近、一部の政治家が伝統的な家族観がどうのこうの、と発言しているのをよく聞きます。でも彼らが言うところの「伝統的な家族観」は、せいぜい明治以降のもの。ちっとも伝統的でないのは確かです。

大塚 家長がいて3世代同居するというスタイルは、決して伝統的ではありませんものね。夫婦となった男女が同じ氏を称する「夫婦同氏制」が定められたのも、明治時代です。

本郷 僕は個人的には、うちの母は明治以降の家父長制の犠牲になったと思っています。母は教師をしており、とても能力のある人でしたが、舅姑の世話のために仕事をやめざるをえなかった。

姑の介護で辛酸を舐め、相打ちみたいに、姑を見送って2年後に亡くなったんです。どれだけ無念な人生だったか。それなのに姑と同じお墓に入っている。母の骨を持ち出して、別のお墓を作ってあげようか、と思うことすらあります。

大塚 そうでしたか……。

本郷 母にはもっと、自分の好きなことをして生きてもらいたかった。女性が自由にのびのび暮らせる社会のほうがいいに決まっています。

大塚 女性がいきいきとしているほうが家庭内平和も保て、相手の男性も幸せなのでは?本郷さんのご家庭のように。

本郷 至極ごもっともでございます。(笑)