堀田さん「一部の種牡馬に人気が集中してしまうと、さまざまな問題が起こりかねない」と言いますが――(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
競走馬の血統は、競馬の重要なファクターの1つです。しかし現状では、血統に関する各種言説に、生物学の基本から逸脱しているものが多々見受けられます。「『血統』と『遺伝』は表裏一体です」と語るのは、獣医師で、サラブレッドの血統を生物学・遺伝学的観点から探究している堀田茂さん。その堀田さん「一部の種牡馬に人気が集中してしまうと、さまざまな問題が起こりかねない」と言いますが――。

思い出に残る栗毛馬は?

皆さんが「思い出に残る栗毛馬は?」と問われたとしたら、どの馬を挙げますか? 

私なら、この世界に誘(いざな)ってくれたテンポイントだと迷わず答えますが、ここ10年近くで印象が強いのはやはりオルフェーヴルでしょうか。

活躍した栗毛きょうだいならば、アグネスフライトとアグネスタキオンがいましたし、ダイワメジャーとダイワスカーレットも印象深いです。

たてがみが金髪の尾花栗毛ではトウショウファルコ、トーホウジャッカルを思い出しますし、先に触れたタイキシャトルも忘れられない栗毛馬でした。