YouTubeで歌のトレーニング

N)特にツアーがあると、健康に気を遣われますよね。やはりシンガーの方は喉のケアとか大切にされていると思うのですが、人によってそれぞれ違うんですか?

J)私は50歳になるまでずっと自己流で歌っていて、喉のケアの仕方も自分なりの方法でしかやってこなかったんです。でもこれじゃダメだと思って…。このままでは声を維持できるはずがないって思ってトレーナーをみつけようと思ったんです。だけど、なかなか良いトレーナーが見つからなくて、学校に行くわけにもいかないし、誰かいないかなと思って探していたんです。実は、デビューしてすぐに、ヴォイストレーニングを受けたことがあったのですが、どうも先生と合わなくて辞めてしまった。それで、そのままほったらかしてきちゃってたんです。でも、やっと良い先生と巡り合えて一から声の出し方を習ったんですよ。実はその先生の第一声が「JILLさん、親父だね」って言われて…。「直球だよね。声のコントロールが出来てないかなぁ」って。(笑)
そこで根本的に自分の声をコントロールしなきゃいけないと思い、1年ぐらいしっかりトレーニングしたかな。

思ったのは、やっぱり声は出してないといけない。コロナ禍で皆さんマスクをしていて喋るのもなんか小声だったりで…。それが3年間続いたので、今、マスクを取って人と喋るのはすごい大変だと思うんですよ。マスクに慣れちゃってるしね。私は今、何とか社会復帰しようと思って、なるべくマスクをしてないんですけど。
でも、やっぱり恥ずかしいからってマスクをしちゃう人いるでしょ。女の人は特に。化粧しなくていいし。だけど、マスクをしてコソコソって喋る癖がついていると、やっぱり喉が衰える。前は喉を使いすぎて、耳鼻咽喉科行く人多かったけど、今は声が出ないって行く人が多いって聞くしね。

N)へえ!喉を使わなさすぎて声が出なくなるんですね。

J)だって下手すると自宅でリモートとかで1人でずっと仕事するでしょう。そうすると声を出さないので、結果出せなくなる。私は自分で1年間のヴォイストレーニングで培ったメソッドがあるんで、それで声を出したり…。あと、昨年、一番コロナで外出できない時期に配信をしたんですよ。最初はインスタだったけど、次はYouTubeで。自分達の曲が300曲ぐらいあるのですが、その曲をCDでランダムにかけて、ちゃんと歌えるのかっていうのやってみたわけですよ。「皆さん、次の曲、私は歌えるでしょうか!?」みたいな。(笑)

300曲もあると忘れている曲もあって。一瞬、このイントロなんだっけ?って。それをファンの人と一緒にやったらすごく喜んでくれて。
最初は4〜5曲のはずが、だんだん1時間コースになって、多い時は17曲も歌っちゃって。 実は、家で歌うって、ライブとは状況が違うので、やっぱり声のコントロールをする必要があって、結果すごく良い歌のトレーニングになりました。
あと、ちょうど同じ時期に「三味線JILL屋」っていうユニットをやり始めたのですが、それも家の中でマイク使わないで歌うわけですよ。日本家屋だったりしてね。そんなことをしていたら、声のコントロールもしっかりできるようになってた。
でも結局は、身体のコンディションが良いおかげかな。