それ食べたら絶対ダメー!!!
ところが翌日の息子の電話で、私はたしかにカキッと音を立てて凍りついたのである。
「昨日のすき焼きの残りが糸を引いている」
ぎゃーっ!!
多めに作ったすき焼きをその晩温め直すところまでは想定していたけれど、すっかり忘れてしまっていたのだが時は梅雨前。いや、誰もがうすうす勘づいているとは思うのだが、もうこの不安定な天気が続く毎日は、とっくに「梅雨」なのではないだろうか。忘れてた!
湿度が高くなり始め、エアコンや除湿を切った後の部屋は急に蒸すように暑くなる。
やってもた。息子は夕食で食べたすき焼きを朝弁当に詰めたはいいが、残りをそのままに、エアコンを切って出かけ、帰宅したのだろう…。
おでこをペシペシ叩きながら電話口で「だめー!それ食べたら絶対ダメー!!!」
母、久々にいろいろ情けないやら恥ずかしいやら、申し訳ないやら…。
いちど火を通したものでも、この時期はかならず鍋から容器に移し替えて冷蔵庫に入れる、という知恵を授けるべきだった。そういえば高校生の息子にそんな機転が急にきくわけがなかった。
失敗は浮かれた時にやってくるものである。