今日も傷まず美味しく

我が家はわたしが送迎できる時は車の移動なのでなんてことはないのだが、たまに電車を乗り継いで一人で練習に向かわせることもあり、荷物の多い夏はかなり大変な思いをしそうだ。 

中には片道15キロ前後の道のりを自転車で通う子もいるし、夏休みなど、平日朝のラッシュ時に電車をいくつか乗り換えて行く子もいる。手に持ったクーラーボックスなんて決して軽いものでもない上、満員電車のなかではかなり嫌な顔をされることがあるかもしれない。
いろんな思いをしながら、野球少年たちはこの暑い季節も、母たちがいろんな工夫をして作ったお弁当を手に携えて各地から集まってきているのだ。

ほんの30分足らずのお昼休み、選手たち一人一人がクーラーボックスに腰掛けて美味しそうにお弁当を頬張っている姿を眺めていた。保冷が効きすぎてひと塊りになったゴハンをお箸で持ち上げている子に笑いが起こる。大きくなって欲しいと願う母の思いが重すぎて、ものすごい量のおかずとご飯を遠い目で食べている子もいる。ご飯を一粒残らずかき集めてまだまだ足りなそうな子もいた。いろんなおかずの匂いが木陰に入り混じる中、それぞれの親の思いをお弁当に見ているような気がした。

ここからが暑い季節の本番だ。

練習の合間に食べるお弁当や捕食のおにぎりが、今日も傷まず美味しくお腹を満たしてくれますように…。
母もどうにか工夫を凝らして、この暑い暑い…きっと想像するより暑い夏を、乗り切っていこう。