イラスト:小林マキ
じめじめした梅雨の時期は、胃腸の調子を崩しやすくなります。食欲がわかない、だるい、疲れるなどの体調不良を起こしがち。胃腸を元気に整える秘訣を紹介します。
(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/葛西由恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)

梅雨時は腸内の悪玉菌が増えやすい

胃腸は、食物の栄養を消化・吸収して、活動するエネルギーを作り出す、いわば元気の要となる臓器。ところが、気候の変化や生活習慣に影響されやすいとてもデリケートな臓器でもあるため、天候の不安定な梅雨時や季節の変わり目には調子を崩しやすくなるのです。

「腸の働きが弱くなると、腸内に悪玉菌が増えやすくなります。近年の研究により、この悪玉菌が発生させる腐敗ガスが、私たちの健康に大きな影響を与えていることがわかってきました」と、犀星(さいせい)の杜クリニック六本木院長の川本徹先生は解説します。

「悪玉菌が産生するこの腐敗ガスは、おならや便、体のにおいを臭くするほか、腸の粘膜から吸収されて血液中に入り、皮膚までたどり着いて肌荒れを引き起こす原因に。また悪玉菌の増加は、ホルモンの分泌にも影響を与え、“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンの分泌を抑制します。すると、疲れやすい、イライラする、やる気が出ないといった症状をもたらし、メンタル面にも大きな影響を与えるのです」(川本先生。以下同)