ところが、検査の結果は――。まず膝については、このまま放っておいたら変形性膝関節症になっていたかもしれない、ちゃんとケアしないといけない、と言われてしまいました。弱っている左側をかばった歩き方をしているため、力のかけ方がアンバランスだということも数字で示されてしまい……。

そして何より、骨粗鬆症予備軍であることがわかったのです。想像もしていなかったので、心底ビックリしましたね。年齢とともにどうしても骨密度は下がりやすくなるので、これ以上進行しないようにすることが大切、とのことでした。

70年近くも使い続けていればいろいろ不具合が出てきてしまうものね、と思いを巡らせていたら、先生が「足の曲がり角は50歳ですよ」と。50歳!もうとっくに過ぎています(笑)。わが身に降りかかって初めて、健康について学びました。

まず、人間が死に至るまでには、階段を3段下っていくということ。1段目は「歩けなくなる」という階段、2段目が「トイレに行けなくなる」、最後が「食事が思うように摂れなくなる」。

多くの人が「健康寿命を延ばしたい」と願いますよね。これは、最初の階段を降りるまでの期間を引き延ばすということ。つまり、自分の足で歩ける期間をどれだけ長く延ばせるかにかかっているのだそうです。

「足の8020運動」があることも、このとき初めて知りました。「80歳のとき、自分の歯を20本残そう」という「歯の8020運動」は有名ですが、足の場合は「80歳のとき、20分間自分のペースで補助なしにシャキシャキ歩けることを目指そう」というもの。

生涯歩ける自分でいたいのなら、努力して歩ける足をつくっていかないといけない。60代最後の年になってからではありますが、このことを知ることができて本当によかったと思いました。