なんとかしないと、と考えていた矢先に、わが家に保護犬を迎えることになったのです。以前から、私たち夫婦が最期まで面倒を見てあげられる年齢のワンちゃんがどこかにいないかと、犬の保護施設を探していました。

そうしたら、山のなかで育ってきた推定年齢6歳くらいの子がいるというお話が。「なんばん」という名前の、元野犬とは思えない穏やかな性格の男の子で、ご縁あって一緒に暮らすことになったのです。左膝に違和感を覚えてから2ヵ月ほど経った頃のことでした。

それからは、なんちゃん(なんばんの愛称)と一緒に朝夕の2回、40~50分ずつのお散歩が日課に。歩き方を矯正するためにオーダーしたインソールをスニーカーの中に敷いて、歩数にして1日合計1万歩のウォーキングです。

「きれいな花が咲いてるね」なんて話しかけたり、道路の端に溜まった雨水を飲むなんちゃんを見て、「さすが元野犬ね」と感心したりしながら歩くのは、とても楽しくて。

そんな生活を始めて数ヵ月経った頃、再び足の健康チェックを受けました。骨の新陳代謝の速度を調べる血液検査の結果を見た先生が、「あれ?これ、数値が間違っていないかな」って。それもそのはず、先生も驚くほど状態がよくなっていたのです。

事情をお話ししたら「これは、ワンちゃんのおかげですね」とおっしゃるので、私もすっかり気をよくしまして(笑)。1人だったら難しいことも、お散歩が大好きな愛犬の存在がモチベーションになって、楽しく続けていけそうです。

食事は、栄養バランスに気をつけるくらいで基本的には好きなものを食べています。ただ、カロリーの高いものや量が多いものを食べるとしたらお昼に。夜は夫が毎晩ワインを飲むので、私もそれに付き合って少々飲みながら、軽く何かつまむ程度にしています。

そんな私たちの近くで、なんちゃんはいつも寛いでいるんですよ。犬と暮らし始めたことで運動習慣が身につき、夫婦の会話も増えました。いまや、なんちゃんなしの生活は考えられません。