「宝塚を目指したのは、中学生の頃に天海さんの舞台を観たことがきっかけ。それからずっと〈ファン〉です」(撮影:木村直軌)
宝塚歌劇団雪組トップスターとして活躍した望海風斗さん。退団後も大型ミュージカルに次々と出演、その抜群の演技力と歌唱力で観客を魅了してきました。その成果が評価され、23年、菊田一夫演劇賞を受賞。ますます輝きを増す望海さんが見つめる先は──。発売中の『婦人公論』2023年7月号から、特別に記事を先行公開いたします。
(構成:藤野さくら 撮影:木村直軌)

舞台の神様からもらったギフト

菊田一夫演劇賞受賞のニュースは、自分自身が一番驚きました。初舞台を踏んでからちょうど20年。節目の年にこんな大きな賞をいただいて、お世話になってきた方々への感謝の気持ちでいっぱいです。頑張ってきてよかったなという思いも。

それだけでもすごいことなのに、天海祐希さんと同時受賞と聞いて、またビックリ。実は宝塚を目指したのは、中学生の頃に天海さんの舞台を観たことがきっかけ。それからずっと〈ファン〉です。

もちろん今回受賞理由となった舞台も拝見していて、「やっぱり舞台に立つ天海さんが大好きだ」と感じていたので、本当に夢のようです。浮かれてはいけないと思いつつ、これは舞台の神様からもらったギフト。しばらくは嬉しさを噛みしめさせてください!(笑)

今お稽古中の舞台『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』でも、不思議な巡り合わせがありました。サティーン役を、私と歌手の平原綾香さんがWキャストで務めるのですが、あーや(平原さんの愛称)とは小学校から高校まで、通っていたバレエ教室が一緒だったんですよ。今は稽古場でおしゃべりしながら、いい意味で刺激を受けています。

『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』は、2019年にブロードウェイで初演され、トニー賞最優秀作品賞をはじめ10部門を受賞した名作。各国のキャストで上演され、日本版は7ヵ国目になります。