新聞社の側の問題

とはいえ、新聞社の側にも問題があります。

記者たちが間違ったエリート意識を持ち、世の中の常識から乖離(かいり)したり、専門用語を駆使して読者が理解できない記事を書いたり、間違ったことを報じても間違いを認めなかったり。

そんなことを続けていたら、新聞が読者から見放されるのは当然のことでしょう。

それではいけない。そんな思いから、朝日新聞で「池上彰の新聞ななめ読み」と題して、新聞記事の比較検証やわかりにくい記事の批判を続けてきました。

新聞はなくならない。でも、そのためには自らの努力が必要なのです。

その一助になれば、というのが私の願いです。

新聞は、読み方によって、これまで以上に楽しむことも可能なのです。

そんな読み方も知っていただければ幸いです。

※本稿は、『新聞は考える武器になる 池上流新聞の読み方』(祥伝社)の一部を再編集したものです。


新聞は考える武器になる 池上流新聞の読み方』(著:池上彰/祥伝社)

新聞は「誰のためのものか」。事実を正確に伝えているか?
難しい話や専門用語をどのようにやさしく伝えるのか?
デマやネットの情報に惑わされず「知る」「考える」「伝える」力を磨く。