「新聞は専門用語ばかりで難しい」「ニュースはネットで見るから、新聞なんていらない」など…。新聞離れが進み、新聞の読み方がわからなくなっている若者も増えています。そんななか、「新聞を読む人が減ったことで、新聞を読んでいるだけで他人に差をつけることが可能になった」と語るのはジャーナリストの池上彰さん。その池上さん「新聞の存在意義のひとつは、この『取材』にあります」と言いますが――。
新聞の存在意義は「取材」
「新聞を読んだほうがいいよ」とすすめると、こんな声が聞こえてきそうです。
「ニュースはネットで見るから、新聞なんていらない」
「TikTokで情報を得ているよ」
確かに、今どき、どの新聞にもネット版があり、そこでは多くの記事が無料で公開されています。
「Yahoo!」などのポータルサイトにも、注目度の高いニュースが随時掲載されています。
ニュースをまとめて読める便利なアプリをスマートフォンにインストールしてある人も多いでしょう。
朝のニュース番組やワイドショーでは、新聞各紙の紙面をずらりと並べて、記事を紹介することもあります。
自分で新聞を購読することなく、毎日、新聞の中身をざっくり知ることができます。
しかし、だからといって、「新聞なんていらない」「新聞社なんていらない」ということにはなりません。
ニュースは記者が取材し、記事を執筆して初めて生まれます。
新聞社は多くの記者を抱え、直接情報源に取材して、記事にします。
この第一報がなければ、ネットに記事が転載されることもありません。
新聞の存在意義のひとつは、この「取材」にあります。