新聞は民主主義を支えるインフラ

選挙の投票率が激減したのです。

地元の選挙を報道する新聞がなくなったため、立候補者などの情報が有権者に行き渡らなくなってしまったのです。これでは誰に投票していいのかわかりません。

地域のニュースが報じられないため、地元の政治への関心も失われてしまいます。テレビがカバーしないような小さな町の選挙では、そもそも選挙があること自体が伝わらない可能性もあります。

新聞が廃刊になった市では、不正や汚職が横行しました。

不正を監視し、伝える記者がいなくなり、不正が報道されることもなくなってしまったのです。

日本でも同じことが起こりかねません。新聞記者がいることで、人々は政治についての情報を得ることができ、権力者の不正に歯止めがかかっています。

新聞は民主主義を支えるインフラなのです。

※本稿は、『新聞は考える武器になる 池上流新聞の読み方』(祥伝社)の一部を再編集したものです。


新聞は考える武器になる 池上流新聞の読み方』(著:池上彰/祥伝社)

新聞は「誰のためのものか」。事実を正確に伝えているか?
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デマやネットの情報に惑わされず「知る」「考える」「伝える」力を磨く。