池上さん「本文を読むのは夜、寝る前。紙の新聞14紙にあらためて目を通します」(写真:本社写真部)
「新聞は専門用語ばかりで難しい」「ニュースはネットで見るから、新聞なんていらない」など…。新聞離れが進み、新聞の読み方がわからなくなっている若者も増えています。そんななか、「新聞を読む人が減ったことで、新聞を読んでいるだけで他人に差をつけることが可能になった」と語るのはジャーナリストの池上彰さん。その池上さん毎日、自宅で10紙以上の新聞に目を通すそうで――。

朝刊の文字数は、およそ20万字

新聞に掲載されている情報量は、どれくらいだと思いますか?

朝刊の文字数は、およそ20万字。新書2冊分もの情報量が詰まっているのです。

毎日、新書を2冊読むのは、いくら本好きでも難しいかもしれません。

しかし、新聞なら、同じ文字量を毎日、難なく読めるのです。この情報を活かさない手はありません。

新聞を毎日読み続けていれば、大量の情報に触れていることになります。その情報の蓄積は、きっと大きな力となるはずです。

最近では、親の世代が新聞を読んでいない家庭も増えました。自宅に新聞がないため、新聞を読む習慣がないまま大人になります。

そのまま就職活動になり、急に「日経新聞を読まなきゃ」と思っても、何が書いてあるのかわからないという人が多いでしょう。

新聞はすべての専門用語に解説をつけたりはしません。記事の前提の部分は省略されていることが多く、「一見(いちげん)さん」にはわかりにくいのです。

だから、「新聞は難しい」と感じてあきらめてしまうのです。

これは新聞の側にも非があります。

毎日、読んでくれているという前提で記事を書いていては、今の時代、相手にしてもらえません。

「そもそも」から解説するNHKの「週刊こどもニュース」が大人に支持されていたのは、新聞が親切に書かれていないからなのです。

では、私自身は、毎日どのように新聞を読んでいるのでしょう?