ネットもテレビも、ネタ元は新聞

長い時間と手間のかかる取材をする記者がいるからこそ、記事が出来上がるのです。

テレビ局では、NHKだけが多くの記者を抱えています。民放テレビには報道部がありますが、記者の数は少ないのです。

『新聞は考える武器になる 池上流新聞の読み方』(著:池上彰/祥伝社)

そもそも民放のワイドショーは、報道とは別の部署が制作しています。自分たちで取材するのではなく、新聞で面白そうなネタを探すのです。

週刊誌や雑誌も、まったく新しいネタを発掘し、一から取材することは、あまりありません。そのような時間もコストもかけられないのです。

そこで、新聞に載った第一報をもとに、後追い取材をします。その結果、新聞以上に面白いネタが発掘されることもあります。

もし本当に新聞がなくなったら、第一報がなくなり、ネットメディアには転載するニュースがなくなってしまいます。テレビ局のネタも枯渇します。テレビを見て記事にしているネットニュースも、困ってしまうでしょう。