テイオーの走りの根源である繋と関節部分の柔らかさの秘密とは?

トウカイテイオーがトウカイテイオーたるべき馬体の特徴を挙げるとすれば、それは繋(つなぎ)であろう。

繋とは球節と蹄の間にある関節(サスペンション)にあたる部分のこと。

『トウカイテイオー伝説 日本競馬の常識を覆した不屈の帝王』(著:小川隆行・ウマフリ/星海社)

教科書的に言うと、繋に関してはその長さと地面に対する角度を見る。大きく分けて、寝すぎた繋と立ちすぎた繋、正しい傾きの繋がある。

長い繋は傾斜も大きく、普通に歩いていても、球節が深く沈むため、弾力のある柔軟な感じを受ける。

トウカイテイオーは繋が長く、弾むような歩様の馬の代表例としてよく挙げられる。

当時の競馬ファンは、テイオーウォークとも呼ばれたその弾むような歩き方が印象に残っているのではないだろうか。

トウカイテイオーの弾むような歩き方は、繋が柔らかくて強いこと、さらに繋が長くて球節が深く沈み込むからこその独特さであったと思う。

柔らかさと強さを両立している繋は理想である。柔らかいけど弱かったり、強いけど硬い馬はたくさんいるが、サスペンション部分が柔らかくて強い馬は意外と少ない。

サスペンション部分の柔らかさや強さに関しては、馬体を外から見ても分かりにくく、実際に馬の背に跨ってみて初めて感じることができるものだ。

おそらくトウカイテイオーは繋だけではなく、馬体全体のあらゆる関節部分が柔らかくて強く、曲がった分だけ反発するバネのようであったのではないかと想像する。

特に若駒の頃の皐月賞や日本ダービーの走りを観ると、1頭だけ違う生き物が走っていると思えるほど、跳ねるようにして走っていた。