気がつけばもう、高3の夏

失敗と成功を細かく繰り返しながら、高2の夏過ぎあたりからやっと実戦に入れるようになり、翔大の野球が本格的に始まった。でもその頃にはもう、砂時計は半分以上落ちてしまっていた。
あと1年、の声を聞いてグラウンドで野球には入れるようになってからは、記憶が飛んだように時間が過ぎていき、気がつけばもう、高3の夏を迎えてしまった。

チームはいよいよ夏の大阪大会を控えている。

翔大が中学を卒業して大阪に飛び出して来たとき描いていたような、ドラマチックな夏の舞台にはならないかもしれない。でも、それ以上に得たものが多くかけがえのないもので、翔大にとってここから先に繋がる準備がたくさんできたこれまでだったような気がしています…オカンはそう思います。

「そんな甘かないよ」

父親の言葉は本当に辛くて酸っぱくて重いのだけれど、この言葉の意味がほんの少しでも息子・翔大に理解できたのだとしたら…ここまで大合格の大阪野球留学です。

ここで終わらない翔大の夏にしてほしいと手を擦り合わせて祈るような気持ちの、オカンなのでした。(なんだ、いつもの息子への置き手紙になってしまったな)