『14歳(フォーティーン)』1990年
環境が破壊された地上から逃れるため、地下都市で暮らす人類。そんななか、ササミの細胞から知性を持つ鶏頭の生物が誕生する。人類存亡を懸けて地球を脱出する子ども選びが始まるが―

楳図 食べるということは、弱い生き物たちの命をいただいているということ。そういうことをしたら、復讐を受けるだろうと思っているからです。まあ、1週間食べなければ呪いも解けるかな、と。『14歳(フォーティーン)』という作品で鶏を取り上げたのも、肉食に対するそんな思いからです。

酒井 『14歳』には、環境破壊や、自然からの乖離が描かれている。やはり楳図さんは、常に作品で未来を予言しているように感じます。ところで、お仕事をしていない時は何をなさっているんですか?

楳図 ここ30年ほど、NHKのラジオ講座でイタリア語、スペイン語、英語、ドイツ語、フランス語の勉強をしています。

酒井 5ヵ国語も! なぜ語学を?

楳図 テレビ番組でイタリアに行くことになり、挨拶やレストランでの注文の仕方くらいは覚えておこうと思ったのがきっかけです。「 (~ください)」さえ言えば大概通じるので使っていたら、現地の人に「あいつ、ペル ファヴォーレばっかり言ってる」って。言葉はわからなくても、悪口だっていうのはわかるんですよー(笑)。

戻ってきてからも、せっかくだから続けようと思って。あとは、作詞作曲をしてレコーディングをしたり、ライブで踊りながら歌ったり。映画企画にも取り組んでいて、14年に『マザー』が公開されました。