常勝の条件
常に上位にいて、優勝を狙える結果を出し続けることが「常勝の条件」なのだ。
この考えは今も揺るがないし、間違っていないと思う。
ただ、ここにも気をつけなければならない落とし穴がある。
冒頭で書いた通り、ずっと「高いレベルでの安定」を続けてきたために、いつしか「これでいい」という思いが生まれてしまった。
一応、目標を達成しているために、反省し、改善することがなかったのだ。
そのため自分から変化したり、選手たちの変化にも気がつかなくなっていた。
「勝てなかったのは仕方がない」「来年はまたチャンスがある」
毎年、そう思うことで自分を正当化し、指導方法を変えることなく、年月を送ってしまった。
そして勝つべきチャンスがあれば、是が非でも勝ちにいくという執念を発揮できなかったのだ。
※本稿は、『必ずできる、もっとできる。』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
『必ずできる、もっとできる。』(著:大八木弘明/青春出版社)
「もはや今までのやり方は通用しない」。時代の流れを感じ、新たな指導方法を模索していた大八木監督は、選手との接し方を変え、再び強いチームをつくった。厳しい指導が代名詞ともなっていた監督は、令和の時代になり、何をどのように変えたのか。伸び悩む組織を運営する管理職やリーダーに向けて、その指導方法を紹介する。