「大学3大駅伝」27回優勝、駒大・大八木総監督が考える「常勝の条件」。アンカーで3分以上の差を逆転した2021年の箱根で痛感したこと

戦う前から諦めてしまった

ただ安定も常に維持できるとは限らない。毎年、選手が入れ替わるのが学生スポーツ。育てた選手は必ず卒業していくことに加え、新たに入部してきた選手を狙い通りに育てられないこともある。

私は経験的に箱根駅伝で勝つために必要な戦力をわかっているため、他大学の選手と自軍の力を比較したとき「今回は難しいかな」という気持ちが生まれることも何度もあった。

『必ずできる、もっとできる。』（著：大八木弘明／青春出版社）

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はっきり言えば、戦う前から諦めてしまったのである。

そして優勝を何度も経験し、私のなかで箱根駅伝への情熱が薄れ出したことも認めざるを得ない。それゆえに新しいことにチャレンジしたり、強い相手に立ち向かったりする気持ちがなくなってしまったのだ。