「夫を見送った後、一番の救いとなったのはお仕事です。居場所があることが、どれほどありがたかったか」（撮影：浅井佳代子）
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現在発売中の『婦人公論』2023年8月号の表紙は、女優の原日出子さん。夫・渡辺裕之さんを見送った後、一番の救いとなったのは仕事だったと話す原さん。マスク生活で呼吸が浅くなっていることに気づき、ボイストレーニングを始めたそうで……。発売中の本誌から、特別に記事を先行公開いたします。（撮影＝浅井佳代子　構成＝篠藤ゆり）

子どもと助け合いながら

今年、長女は40歳、次女は29歳、長男は27歳。次女は実家を離れていましたが、夫（俳優の渡辺裕之さん）の病気のことで、一昨年末に帰ってきてくれました。

夫はもともと心配性だったので、気持ちが不安定なのが病気のせいだとわかるまでに、時間がかかってしまって。私が焦って苛立っても、子どもたちは根気よく、温かく、夫と向き合っていました。

私にも「たまには友達と食事に行けば」と気遣ってくれて。私も「今日は私が頑張るから充電してきて」と返したり、あの頃は助け合いながら過ごしていました。