ストレスが限界に達し、パニック障害に

その後は努力が実り、私の実力が認められて自分がやってきたことに達成感も得られたのですが、仕事が忙しくなるにつれ、経営者としての重圧ものしかかってきます。

スタッフの指導や仕事の采配に加え、スタッフに対するクレームも、私が全部責任を負わなければなりません。

自分の理想を追い求めながら、なかなかうまくいかない現実と向き合う日々が続きました(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

私を悩ませたのは、スタッフの入れ替わりです。せっかく育てた弟子が卒業し、また一から新しい弟子を育てなければならないというジレンマで、ストレスはたまるばかり。自分の理想を追い求めながら、なかなかうまくいかない現実と向き合う日々が続きました。

私は仕事に手を抜くことができないタイプです。当時は1日に5本くらい仕事をこなしていたのですが、すべての評価を絶対に落としてはならないというプレッシャーがありました。

弟子にも完璧な仕事をすることを求めていたので、心に余裕がもてないほど、いっぱいいっぱいだったのでしょう。そうなると、体のほうが悲鳴を上げて当然です。

39歳のときに、パニック障害を発症しました。最初は後頭部に痛みを覚え、血圧も200を超えていて1週間ほど入院することに。

大変だったのは、退院してからです。

電話が鳴るだけで発作が起き、渋滞中の車内やエレベーターの中で呼吸困難などの症状に襲われました。めまいの症状もひんぱんに出て、いつ発作が出るかと不安を抱えている毎日でした。