「大丈夫、大丈夫」をお守りに

そんなとき、かかりつけの医師から「大丈夫、大丈夫」と書かれたメモをいただき、そのメモをお守りのように持って、自分の胸に手を当てて「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせたりしました。

心をリラックスさせるための方法をいろいろやって、徐々に快方に向かいましたが、いまも心がざわつくときは「大丈夫、大丈夫」という言葉を呪文のように唱えています。

私はよくみなさんに、つらいことがあったら脳の中で「自分騙し」をして、心のスイッチングをするようにということをアドバイスしています。無理にでも楽しいことだけを考えて、いやなことを脳から消していく方法です。

自分に暗示をかけるように、プラスの言葉を脳に刻み込んでいくと心が切り替わります。

いま改めて考えてみると、私の父もパニック障害を患っていたのかもしれません。

両親が結婚したあとに東京から地元の九州に戻ってきたのは、父が心臓病を発症したからと聞いていましたが、その後も年に一度くらい息ができないような症状が出ていたので、あれは過呼吸だったのではないかと思えてきます。父も、人知れずさまざまなストレスを抱えて、苦しんでいたのでしょう。

私がパニック障害になったとき、ふるさとの自然豊かな景色がのぞめる場所に行って心を休めるようにとすすめてくれたのも、同じ経験をもつ父なりの心配りだったに違いありません。

※本稿は、『IKKO 人生十転び八起き。ケ・セラ・セラ』(清流出版)の一部を再編集したものです。


IKKO 人生十転び八起き。ケ・セラ・セラ』(著:IKKO/清流出版)

いちばん伝えたいのは、「何があっても大丈夫! あなたは幸せになれる」ということ。たとえいまつらい思いをしていたとしても、すべての経験に無駄なことは一つもない。転んだら、ケ・セラ・セラ! 合言葉は「いつも心に太陽を!」。IKKOイズムがあなたの心のお守りになります。

幼い頃から今に至るまで、著者がたどってきた人生を綴る!