新しい何かを始めるのが難しい

倉部 やっぱり「人事ガチャ」というべきか、配属や異動には悩まれる方が多いですよね。ちなみに工学院の新卒職員は多くて3~ 4人。やっぱり単科大学は規模が小さい。

あんじゅ 当時、10年間ずっと同じ部署にいる先輩もいて、異動があまりなかったんですよね。あと、そもそも大学はカレンダーに沿って4月の入学式に始まり、オープンキャンパスとか入試とか、毎年同じことの繰り返し。そこには私は悩みましたね。

倉部 そうですね。どうしても「前年通り」とか「法律に則って」とか、手続きに沿って進めがちです。業務内容も経費も前年通り。なかなか新しい何かを始めるのが難しい。

工学院には母校出身の職員はあまりいませんでした。そもそもエンジニアを育てる学校なので、たまに卒業生が職員になるケースでは専門を活かして情報システム課とか施設課とか。『大学職員のリアル』の中で、母校出身者の比率について触れたのですが、医科大学は基本的に0%。まあ医学部を出て事務職員になる人それはあんまりいないだろうな、と大方の想像通りですね。

母校出身率を見るだけでも、大学職員という職業は大学によってまちまちであることがわかります。

※本稿は、『大学職員のリアル-18歳人口激減で「人気職」はどうなる?』(中央公論新社)の刊行を記念して開催された「ウワサの人気職『大学職員』のリアルに迫る!」と題したトークイベント(大阪・梅田のラテラルで開催)の一部を再編集したものです。


大学職員のリアル-18歳人口激減で「人気職」はどうなる?』(著:倉部史記・若林杏樹/中央公論新社)

大学職員は「年収一千万円以上で仕事も楽勝」と噂の人気職だが、はたして真相は?
大企業と似たような仕事内容がある一方、オーナー一族のワンマン経営で、ブラック職場の例もある。国公私立でもまた事情は千差万別。それでも大学職員になりたい人、続けていきたい人、辞めようかどうか迷っている職員のための必読書。