2022年に文章生成AIである「ChatGPT」や画像生成AIの「Stable Diffusion」など、一般ユーザーが気軽に使える生成AIサービスが次々と現れました。生成AIサービスについて「その特性を正しく知って使えば、生活やビジネスの効率が大幅に上がるのは確実である」と語るのは、人工知能研究の第一人者である清水亮さん。清水さんいわく「GPTは試験の問題と答えをほとんど丸暗記しているようなもの」だそうで――。
GPTが難関試験に合格できる理由
GPTが世界各国の医師国家試験や司法試験など、人間にとって難解と言われる試験をパスできることが大きな話題になっています。
なぜこんなことができるのでしょうか?
非常に簡単に言えば、GPTは試験の問題と答えをほとんど丸暗記しているようなものだからでです。
たとえば、どんな試験でも、参考書持ち込み自由、インターネット検索自由ならば、誰でも合格できると思いませんか?
GPTは、いわば頭の中にインターネットや各種参考書の知識が詰め込まれているのと同じで、GPTにとっての問題文とはGPTに対する質問文(入力)にすぎません。問題文と矛盾しないように解答するのはそれほど難しくないのです。