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料理には、できるだけ手間をかけたくない。でも、健康のために栄養はきちんと摂りたい。そんな悩みは「冷凍ストック」で解決できます(構成◎大野麻里 イラスト◎わたなべみきこ)

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味付けはいつもどおりでOK

ここからは、冷凍ストックを作るために気をつけたいポイントを紹介していきましょう。1つ目は、味付けは肉や魚だけにすること。食材を切ったら、まず肉や魚だけを保存袋に入れ、調味料を加えて絡めます。その後、野菜も同じ袋に入れていきますが、野菜に調味料を揉み込むのはNG。解凍した時に野菜から水分が出て、仕上がりの食感や色が悪くなってしまうからです。加熱調理する際に、肉や魚に染み込んだ調味料が野菜にもほどよく行き渡るため、味が薄い、またはしょっぱすぎるといったことにはなりません。

2つ目は、食材選び。基本的にほとんどの食材は冷凍ストックに向いていますが、こんにゃく、しらたき、豆腐、卵は食感が変化してしまうため、おすすめできません。レタスやきゅうり、トマトといった水分の多い野菜も不向きです。ただしトマトに関しては、ソースのように使うレシピには活用できます。

大根やじゃがいもは冷凍に不向きだと耳にすることがありますが、それは煮込んだり焼いたりしたものを冷凍した場合に限ってのこと。調理によって水分を含んだ状態で冷凍し、再度加熱すると、余計に水分が出てしまうのです。でも生の状態で冷凍すれば、細胞が壊れ、短時間の調理でやわらかくなり、味も染み込みやすくなります。

3つ目は、素材を生かすひと手間を加えること。肉類はもともと臭みが出やすい食材のため、味付けをする際に料理酒や白ワインを入れましょう。

また、魚の中でも淡泊な白身魚はパサつきやすいため、調味する際に油分も一緒に入れて揉み込みます。出来上がりが、ふっくらやわらかくなりますよ。

味付けは普段どおりで大丈夫。特別に薄くしたり濃くしたりする必要はありません。

4つ目は、新鮮な材料で作ることです。そうすることで、鮮度と美味しさを保つことに繫がります。こうして作った冷凍ストックは、作った日付を袋に書くなどして、1ヵ月以内を目安に食べきってください。

加熱調理する際は、保存袋の上から手でほぐして食材がバラバラになる程度(半解凍)を目安に解凍してから行います。その際、冷蔵庫に移しておくか、電子レンジの解凍モードを活用しましょう。完全に解凍すると、余分な水分が出て美味しく仕上がりません。ただし、油で揚げる場合は凍ったまま、グリルやオーブントースターで焼く場合は全解凍します。