異文化の流入

日本では外国の地名を基本的に英語読みで表記しますが、フランス語だとまったく違う綴りや読み方になることがあります。

ギリシャを旅行中、フランス語のガイドブックを見ていて、英語表示と違うことをすっかり忘れて、思わぬ回り道をしたこともあります。

そんなフランスですが、異文化の流入に次第に寛大にならざるを得ないのが昨今の実情です。

たとえば、フランス人が好む料理のベスト・スリーにいつも入るのが、北アフリカ料理のクスクスです。オリヴィエも大好きで、季節の野菜と羊肉や鶏肉などをスパイスをきかせて煮込み、小麦の粒でできたスムールと食べます。

とはいえ、北アフリカのマグレブ諸国はかつてフランス領でした。そこで生まれたフランス人も大勢います。だから「異文化」ではあってもそれ程遠いものではありません。

ところが、今やアジア系食材、なかでも日本食材が目立って普通のスーパーの棚に並ぶようになりました。二十数年前、私たちがブルターニュに住み始めた頃はありませんでしたが、今は一般スーパーでも、米酢、醤油、ワサビ、寿司用の米や海苔が並んでいます。

シャオメン(焼きそば)と春巻きでエスニック料理のパーティをすることも。(写真:『フランス・ブルターニュで見つけたお金をかけない豊かな暮らし』より)