今やスーパーで寿司用の米、酢、海苔などが買えるように

日本の即席ラーメンも、韓国製と一緒に並んでいます。他の国の食材も普通にあって、メキシコのタコスの材料やココナツミルクはもちろん、タイのグリーンカレーやレッドカレーのパテもあります。

食べ物に対して長く保守的だったフランス人ですが、多くの一般フランス人が買うから、こうした現象が起きているわけです。

日本のお寿司がSUSHIとしてまずパリで流行し始めたのは2000年頃だったと思います。それ以前から日本人が握るお寿司屋さんはありましたが、高かったし、お客さんは在仏日本人か日本人観光客が主でした。

『フランス・ブルターニュで見つけたお金をかけない豊かな暮らし』(著:シャルバーグ八千代/大和書房)

それからあれよあれよと、ベトナム系や中国系フランス人が経営する寿司レストランが増え、一過性かと思いきや、どんどんフランス中にその流れが広がっていきました。それと共に、スーパーで寿司用の米、酢、海苔などが買えるようになりました。

そればかりでなく、柚子YuzuやワサビWasabiは単語としてそのまま通じます。有名シェフやショコラティエがフレーバーとして使うようになったのがきっかけですが、今は一般的なスナック菓子にもこうした香りや味が付いているものもあります。

また、EUの規制で日本から鰹節が輸入できなくなりましたが、ブルターニュのコンカルノーでは、九州の枕崎の鰹節企業が現地製造をしています。これも在欧の日本人向けだけでなく、こちらの人々の需要に応えるためです。