あのときの経験がいまにつながっている
慶應義塾高校野球部は甲子園常連の私立校のように、素質に恵まれた選手が毎年のように大量に入部することはありません。
だからこそ一人ひとりが自分のやりたいことだけではなく、チームのために自分はいかに貢献できるかという視点を兼ね備えなければならない。
そして、当時コーチだった私は、チームをそういう方向に持っていけるかどうかに面白みを感じました。
こうした積み重ねがチームを形成する上で欠かせないということを、大学生なりに経験、理解させてもらったことが、いまにつながっていると思います。
※本稿は、『Thinking Baseball ――慶應義塾高校が目指す"野球を通じて引き出す価値"』(東洋館出版社)の一部を再編集したものです。
『Thinking Baseball ――慶應義塾高校が目指す"野球を通じて引き出す価値" 』(著:森林貴彦/東洋館出版社)
新型コロナウイルス感染症の流行を受け、中止となった全国高等学校野球選手権大会。甲子園を目指す選手たちに大きな喪失感を与えることになった今夏の出来事は、高校野球のみならず部活動全般の意義を問い直す一つの契機にもなりました。
「高校野球は変わらないといけない! 」坊主頭強制無しで春夏連続甲子園出場を決めた慶應高校の"考える野球"を解き明かす。