ちょっとした日常の話題から世間を賑わす大ニュースまで、さまざまな情報を大量に得ることができるSNS。一方で、真偽の定かでない情報が発信され、拡散されることも少なくありません。SNSでよく起こる現象として「フィルターバブル」と「エコーチェンバー」があり、近年問題となっている陰謀論やフェイクニュースにも関連しています。これらの現象はどのようなしくみで発生するのでしょうか。
特定の価値観の泡の中に孤立する「フィルターバブル」
インターネット上で似たような情報ばかりに囲まれ、自身の考えや価値観の泡(バブル)の中に孤立してしまうことを「フィルターバブル」といいます。
日頃SNSを見ていて、「なんだか同じジャンル・似た内容の投稿ばかりが目につくな」と感じたことはありませんか? これは、アルゴリズム(特定の目標を達成するための手順や計算方法)が利用者個人の閲覧履歴やクリック履歴を分析・学習して、より興味を持たれやすい情報を表示しているためです。
わざわざ自分で探さずとも好みの情報を集めてきてもらえるというのは便利ですが、裏を返せば「興味のない情報は遮断される」ということでもあります。
似たような情報や自分にとって都合のいい情報にばかり囲まれていると、だんだんと視野が狭まっていき、物事を多角的な視点でとらえることが難しくなります。「フィルターバブル」は、このように特定の思想にとらわれやすい状況下で発生します。