どこでも手すりが命綱

手すりもいくつあっても困りません。三十数年前に転倒して右膝を強打し、整形外科で作ってもらった補助具がないと、長距離の歩行ができないんです。

家では手すりに頼っています。廊下、階段、トイレ、浴室、とどこでも手すりをつけているんですよ。

書斎が2階にあるので、宅配便が来ると、玄関に出るまで時間がかかるんです。階段の手すりにすがって、一歩一歩下りる。配達の人をお待たせして申し訳ないけれど、手すりのおかげで何とか普通の暮らしが送れています。

重いものを2階へ運ぶために、室内エレベーターをつけました。足を鍛えるためになるべく階段を使っていましたが、90歳を過ぎてからはエレベーターを使うことにしています。とても安心で便利です。

※本稿は、『老いの地平線 91歳 自信をもってボケてます』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。


老いの地平線 91歳 自信をもってボケてます』(著:樋口恵子/主婦の友社)

老いのトップランナー・91歳の評論家 樋口恵子さん。
脳科学者・瀧靖之教授(東北大学加齢医学研究所)から「樋口さんの生活・習慣は、脳によいことばかりです!」と絶賛された暮らしとは?

ボケるのが怖い人、老後の暮らしを心配している人、まだまだ夢をもって超高齢期を迎えたい人、親や祖父母世代が認知症になったらどうしようと悩む若い人、どんな世代にでも、男女差なく読んでいただきたい本です。