〈崖〉にもいっぱい連れていっていただいた

今回の舞台には、数多くのサスペンスドラマでバイプレーヤーを務め「2時間ドラマの裏女王」と呼ばれる山村紅葉さん(62)も出演する。「船越さんとは同い年ですよね。夫婦役もさせていただきましたし、〈崖〉にもいっぱい連れていっていただいた」とつき合いの長さをアピール。養生所で働く女中・お光役について聞かれると「主婦でありながら、料理、洗濯、掃除が苦手で…。若い時は、我儘なお姫さまとか、やくざの女親分とか、地でできたんですけど、今回はどーすんだ、という感じです」と会場を笑わせた。

男性陣は全員スーツにネクタイ。養生所の雰囲気や関係性そのままに稽古も進んでいるという

 

また「イケメンが何人も出ていてうれしい。時節柄声もかけられず、眺めているだけですが(笑)」と共演者について語った。

養生所で「赤ひげ」の新出とともに働く若手医師たちの〈成長譚〉としても見どころの多い本作品。船越さんは「若い連中をしごいて、若いエネルギーを吸い取りたい」とも。若手は「船越さんの差し入れで健康的に」「次は何をいただけるのか楽しみです」とチームワークの良さものぞかせた。

映画やドラマで何度も演じられる名作「赤ひげ」について、船越さんは「『赤ひげ』は60年以上前の作品ですが、鮮やかに深く鋭くメスで切り込み、必ずどの時代の世相も映している。江戸時代の人々にとって、病なんていわばコロナみたいな〈わからないもの〉で、患者も医者も不安の中を戦っていた。今を生きる我々にも生きるヒントがあるはず」と語る。

会見の最後には「暗いイメージのある作品ではありますが、原作のテーマはしっかり描きつつ、笑って泣いて、幅広いお客様に楽しんでもらいたい。日本人のもつ原点のようなものに触れていただければ。観劇後は視線がちょっと上を向くような〈一大エンターテインメント〉を目指して絶賛稽古中です」と意気込みを語った。

会見の最後には、船越さんがご縁のある福井の銘酒「黒龍」で鏡開きも。キャストが桝酒を飲んで成功を祝うという、コロナ明けを感じさせる一幕も。

舞台『赤ひげ』は2023年10月28日(土)~11月12日(日)東京・明治座で、12月14日(木)~12月16日(土)大阪・新歌舞伎座にて上演予定。

【出演】

船越英一郎
新木宏典 崎山つばさ 猪野広樹・高橋健介(Wキャスト)
河相我聞 久下恵美 田淵累生 成清正紀 武岡淳一 瀬野和紀  塚本幸男 宮川安利
菅井友香
高倉百合子 麻生かほ里 名越志保 中山義紘 飯塚三の介 吉橋航也
柿澤ゆりあ・浅沼みう(Wキャスト) 岩崎祐也 山口竜央 山﨑タカヤス 竹中友紀子 佐藤玲羅
加藤岳・橋本偉成(Wキャスト) 小川向日葵・長田葵(Wキャスト)
深沢敦 山野海 真凛
山村紅葉

※都合により、一部出演者に変更あり