石段街の美しい温泉地

特に推しているのが、島根の西側に位置する有福(ありふく)温泉、温泉津(ゆのつ)温泉。

有福は「山陰の伊香保」ともいわれていて、石段街の美しい温泉地です。

『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』(著:永井千晴/幻冬舎)

建物の半分以上がもう空き家らしく、かなり閑散としていますが、湯はもうマジの逸品。浴感、肌触りがもう、本当に驚くほどつるっつるなのです。

丘の上の共同浴場「御前(ごぜん)湯」は、脱衣所のすぐ近くから湧いている新鮮な温泉がたっぷり注がれていて、たゆたゆのオーバーフロー。

青いタイルがかわいらしく、少し深めな湯船の設計もすばらしくて、大好きな共同浴場です。……雰囲気もすばらしいので、有福は永遠に続いてほしい温泉地です。私が富豪ならごっつい旅館建てるのに。

温泉津は、有福から45分ほど車を走らせたところにある温泉地。有福よりもう少し大きい温泉地で、瓦屋根の古きよき旅館が連なっています。

2007年、石見(いわみ)銀山とその周辺が世界文化遺産に登録され、温泉津もそのひとつに含まれました。この「世界遺産の温泉地」には、被爆者の湯治にも使われた、国内屈指の療養泉が湧いています。

あっつあつの塩湯には、いろんな成分がごったごたに含まれていて、ガツーンと体に染みます。力強い温泉成分によって、共同浴場の湯船や床はとろとろに変形・変色していて圧巻。

しっとりした温泉街にはバーやカフェもあり過ごしやすく、地酒もおいしいです。温泉津も空き家が多いみたいなので、本当にがんばってほしい、売れてほしいのです……。