ビデオは販売からレンタルへ

近所や繁華街にレンタルビデオ店が次々とオープンしたのも中学に入るのと同時くらいのことで、急速に目に付くようになったのは、85〜86年頃。最初は繁華街に中規模店舗ができて、住宅地の近くに小規模店ができた。

電器店がビデオデッキを売るだけでなく、レンタルビデオに進出するケースもあった。

学校や会社への帰りなどに、“借りにいく”と“返しにいく”という習慣が身につき、日常のサイクルに映画(すでにビデオ化された旧作)を見ることが組み込まれた(写真提供:Photo AC)

登場して間もない頃のレンタルビデオ店は、個人店舗が多かった。映画を細かなジャンルに分け、映画好きのための棚づくりを意識した店もあれば、店の入り口に近いところからいきなりアダルトビデオを並べている店もあった。

初期のレンタルビデオ店は、アダルトコーナーをのれんで区切ってゾーニングするという配慮はなかった。黎明期は、法的に未整備な部分を抱えたまま業界が立ち上がったこともあり、小規模店舗では海賊版を貸していたケースも少なくなかったようだ。