身を捨てても武士が本領を守った理由
あえて答えるとすれば、一つに「本領の大切さ」を強調する方向があると思います。
平安時代の昔から、武士の本質は「在地領主」であることに求められました。
一生懸命の語源になったという「一所懸命」。これは一つの所に命を懸ける、と言ったことを意味します。
それこそ本領の名を家の苗字として名乗り(伊豆北条の北条氏とか、三浦半島の三浦氏とかですね)、その土地を命がけで守ってきました。
土地は「不動産」。いつまでも変わらない財産です。適切な労働を投下すれば、毎年、稔りをもたらしてくれる。
いっぽうで自分のものも含めて、人間の生命は「動産」でした。限りがある。だから身を捨てても永遠の財産である本領を守るわけです。