初めてユニフォームに身を包んだ翔大。この一打にかけて…(写真提供◎大神さん 以下すべて)
大神いずみさんは、読売巨人軍のコーチ、元木大介さんの妻であり、2人の球児の母でもある。苦しいダイエットをしている最中に、長男が大阪の高校で野球をやるため受験、送り出すという決断をしている。夢と希望にあふれてスタートした高校生活はコロナや怪我で波乱万丈。そしてこの夏で引退を迎えた。球児の母として伴走する大神さんが、この2年を振り返る。

前回「夫・元木大介が考案したユニフォーム術をお母さんたちが大絶賛!次男初の背番号付けの結果は…」は

翔大が国体メンバーに

人生で「絶対、あり得ない」と思っていたことが起こることって、どのくらいあるんだろう。

翔大がこの秋の国体のメンバーに選ばれた。

数ヶ月前にここでも書いた「引退試合」を最後に、チームが甲子園でベスト16に残るまで仲間達のサポートに徹していた、甲子園のスタンドから大きなメガホンを振って仲間に声援を送っていた、我が家の長男・翔大である。

全国の高3補欠引退諸君とともに野球道具をまとめ、坊主頭を伸ばし始めて新学期を迎えようとしていた矢先のこと。

ある日我が家の玄関を開けたら目の前にBTSのVが立っていても、こんなに驚かなかったかもしれない。
「ありえない」というか、そんなことが起きるかもという想像さえしなかったことだ。

甲子園も終わり、夢のような帰省時間も過ぎて翔大が大阪に戻ったあたりから、電話の向こうにピッ、と小さな希望のかけらが光を放ち始めていたのを、母は感じ取っていた。

履正社が10月に開催される「国体」に出場する8校に選ばれたのだ。

甲子園の敗退をもって「引退」となった3年生達にとっては、秋の国体でもう一度野球ができることになった!

伝統の円陣も、最初で最後に加われたのが幸せです…