(写真提供◎大神さん 以下すべて)

 

大神いずみさんは、元読売巨人軍の元木大介さんの妻であり、2人の球児の母でもある。苦しいダイエットをしている最中に、長男が大阪の高校で野球をやるため受験、送り出すという決断をしている。夢と希望にあふれてスタートした高校生活はコロナや怪我で波乱万丈。そしてこの夏で引退を迎えた。球児の母として伴走する大神さんが、この2年を振り返る。

前回「高校野球を引退したはずの長男が、国体のメンバーに選ばれた。履正社に入って最初で最後のユニフォーム、最後の一振りは…」はこちら

5年間、居候状態だった夫

夫が家に、いる。

なんでこんなことに改めて新鮮味を感じているんだ、わたし。

いや、これまでしばらく別居していたわけではない。ちゃあんと試合の後には、ほとんど寄り道することなく帰ってきた夫である。むしろまっしぐらに帰ってきた。

だが東京の試合の時は夜遅く帰ってくると、
「ただいま。おやすみ。」
ほぼ2ステップで布団に入って寝てしまうくらい、毎日疲れてヨレヨレになっていた。

あまり込み入った話をすることもなく、私と瑛介が壮絶な親子バトルを繰り広げていても、レフェリーや裁判長を頼むことはほとんどなく、ものすごい熱量のバトルの脇をススーッと通り過ぎて寝室に上がる。ほぼ「居候」状態であった。

一刻も早く寝ないことには、また試合を控えた次の日がめぐって来てしまうからだ。
翔大や瑛介の「度肝を抜かれるような」学校の成績を打ち明けることも、ついになかった。