牛窪さん「近年は異性との性行為に憧れをもたない若者も増えています」(写真提供:Photo AC)
厚生労働省によると、2022年の日本の婚姻数は50万4930組だそうです。前年に比べやや増加しているものの、割合としてはあまり変わらないとか。マッチングアプリや婚活サービスは増加していますが、結婚する人があまり増えないのはなぜでしょうか? そんな疑問に答えてくれるのは、マーケティングライターの牛窪恵さん。牛窪さんは、「近年は異性との性行為に憧れをもたない若者も増えています」と言っていて――。

若者の性行為への「既視感」

相手が至近距離にいなければ、キスやセックスは(通常なら)できません。昭和の時代なら、「キス(セックス)したい」との欲求こそが、「あの人に早く会いたい」「近づきたい」など、リアル恋愛の原動力にもなっていたはずです。

ところが、近年は異性との性行為に憧れをもたない若者も増えています。

正確にいえば、早々に性体験を済ませる「早熟派」と「未経験派」の二極化が起こっており、未経験派はネット情報などによって、一方の早熟派は、早々に性行為を体験し「なんだ、この程度か」などと感じることで、それぞれ既視感を強めている印象です。

日本性教育協会の調査によれば、高校生全体の「性交経験率」は、’17年時点で約16%と、’05年(約28%)との比較で1割以上減っています。