『97歳 料理家 タミ先生の台所おさらい帖』より
94歳まで約60年間「桧山タミ料理塾」で延べ1000人以上の生徒に料理を教えてきたタミ先生。無理せず自然体で過ごすことを大切に、「がんばらない台所」を伝え続けてきました。銅の玉子焼き器はタミ先生が愛用してきた調理道具の一つ。今回は、子どもから大人まで、思わず幸せそうな顔になる出汁巻き卵のレシピを紹介します。

幸せそうな顔になる卵焼き

出汁巻き、薄焼き、伊達巻きも。この銅の玉子焼き器でたくさん焼いて、もう70年です。銅製は火まわりがいいので、火加減のコツがわかってくると、卵焼きがおいしくつくれます。

出汁巻きは、卵液をつけた箸先がジューッといい音がするまで温めてから焼き始めます。そして、やや強めの火加減で素早く焼いて巻くと、ふんわりできます。

薄焼き卵になると、もっと手早さが大事です。温度が高過ぎると焦げたり破けたり、ノロノロしていると卵液が広がりません。でも、うまく焼けないことがあっても大丈夫。何度か焼いていたら、必ず上手になるので練習のし甲斐がありますよ。

卵焼きがおかずにあると、大人も子供も幸せそうな顔になるでしょう。

珍しいレシピをあれこれ試す前に、みんなが好きな基本のおかずを自分好みにつくれるようになると、料理がもっと楽しくなるはずですよ。

『97歳 料理家 タミ先生の台所おさらい帖』より