「『何のために片づけるのか』というゴール設定は、実家の片づけを進めていくモチベーションになり、たくさんのものと向き合っていくなかでの道しるべとなったのです。」(写真提供:coyukiさん)
年末年始、久しぶりに実家に帰省して、実家の惨状に頭を抱える人もいるのでは。そこで過去に配信した「実家の片付け(親家片=おやかた)」をテーマとした記事から、あらためて読み直したい編集部が選んだベスト記事を紹介します。

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ミニマリストとして、ものの少ない自宅の写真を多数ブログに紹介し、人気を集めるcoyukiさんが、母亡きあと父が一人で住む実家を片づけた。娘として、片づけのプロとして、そこにはどんな工夫が凝らされたのだろうか(構成=島田ゆかり)

実家をこの先どうするか家族と話し始めて

4年ほど前に、実家の片づけをしました。きっかけは母の病気が発覚したこと。自宅療養することになり、母の寝室を快適にしてあげようと片づけを始めたのです。しかし、1年足らずで他界してしまい、そこからは、一人で暮らすことになった父が快適に住むための片づけになりました。お金をかけて一気に処分することもできましたが、私は少しずつ、自分の手で片づけることを選択。その結果、丸3年にわたって片づけることになりました。

最初にしたのは、今後この家をどうするか、父と妹と話し合うこと。私も妹も実家に戻るつもりはなかったので、父亡きあとは家を引き継がないと決めました。

最初に片づけの目的を決めると、費用のかけ方が見えてきます。たとえば、「ゆくゆくは売却する」「将来、自分も住む」という予定なら、ある程度お金をかけてリフォームしたほうがいいケースもあるでしょう。わが家の場合は、父が住んで終わりにする家だからお金はかけすぎず、時間をかけて少しずつ父が住みやすい家に、という方針を立てました。

実際の作業は私が7割、父が2割、妹は仕事の関係で時間が取れないため、物の処分先を見つけてくれました。つまり、作業のほとんどは私が行うのです。片づけの最中に途方に暮れることもありましたが、目的を決めておいたので、そこに立ち戻って作業を進めることができました。

「何のために片づけるのか」というゴール設定は、実家の片づけを進めていくモチベーションになり、たくさんのものと向き合っていくなかでの道しるべとなったのです。