減り続ける街の本屋さん。日本出版インフラセンターによると、2003年には20,880店あった書店数も、22年には11,495店と約半分に。町から本屋の灯を失わないために、できることはもうないのか――。プログラマーで実業家の清水亮さんとその方法を探る当連載、今回は書店の無人営業「MUJIN書店システム」を展開中の株式会社トーハン・株式会社Nebraskaのご担当者に話を聞いていきます。
トーハンが手掛ける「書店」とは
*以下
株式会社トーハン経営企画部部長 大塚正志さん=大塚
株式会社Nebraska代表取締役 藤本豊さん=藤本
清水亮さん=清水
「婦人公論.jp」編集部=編集
株式会社トーハン経営企画部部長 大塚正志さん=大塚
株式会社Nebraska代表取締役 藤本豊さん=藤本
清水亮さん=清水
「婦人公論.jp」編集部=編集
編集:このところ、店員さんが常駐していない「無人店舗」を見かける機会が増えました。冷凍食品や古着などはもちろん、最近では「無人書店」もちらほら。今回お話をうかがうトーハンさん・Nebraskaさんが携わっているものとしても、既に23年から「山下書店世田谷店」「メディアライン曙橋店」で、24年3月中旬から「メディアライン大山店」で夜間の無人営業をスタートさせるそうです。
清水:連載通じて「本屋さんがこの先、生き残るための方法」を模索してきたなか、今回、はじめて大きな会社を取材するということで、興味が尽きないわけですが……。僕の認識では、トーハンさんは取次の会社というか、本の流通を手掛ける側のイメージだったけれど、小売りも手掛けているんですね。
大塚:小売りを始めて20年ほどになるでしょうか。ただ、我々が主体的に出店、というのではなく、法人単位で引き受けて運営している形がほとんど。経営が厳しくなった、後継者がいないといった、という書店さんから声をかけてもらい、まるごと引き継ぐケースが多いですね。店舗数として、全国で200店ほどあるでしょうか。
編集:本屋さんが実質、全国で1万店前後と言われる現状で、200というのはとても大きい。