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「メタ認知」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「メタ」とは「高次の」という意味で、つまり認知(記憶、学習、思考など)を、高い視点からさらに認知することを指します。三宮真智子大阪大学・鳴門教育大学名誉教授によれば「メタ認知は自分の頭の中にいて、冷静で客観的な判断をしてくれる<もうひとりの自分>。活用次第で頭の使い方がグッとよくなる」だそう。先生の著書『メタ認知』をもとにした本連載で、あなたの脳のパフォーマンスを最大限に発揮させる方法を伝授します!

問題

まずは一度、次の問題を考えてみてください。

<要塞問題>
ある国の将軍は、独裁者から国を解放するために、国の中央にある要塞を攻略しようとした。そのためには大群で攻め込む必要があるが、要塞に通じる放射状の道路には地雷が埋めてあり、大群で通ると爆発する。どうすれば、地雷を爆発させずに攻略することができるか。 

これは、なかなか難しい問題だと思います。早く答を知りたい方のために、先に言ってしまいましょう。「小部隊に分かれて四方八方から進み、要塞で結集する」というのが答です。では、次の問題はいかがでしょうか。 

<放射線問題>
ある患者は、胃に悪性の腫瘍がある。そのままでは死に至るので、腫瘍を破壊する必要がある。しかし、その患者には体力がなく手術はできないため、放射線による治療を行わなければならない。強い放射線を当てれば、腫瘍は破壊できる。しかし、腫瘍は体の内部にあるため、外から強い放射線を当てると健康な組織も破壊されてしまう。どうすれば、健康な組織を傷つけずに、腫瘍だけを破壊することができるか。

こちらも答を言ってしまうと、「四方八方から弱い放射線を照射し、腫瘍で集結させる」というものです。