「プロポーズしてもらいな」と娘に言われて
今年の4月、父である三船敏郎の誕生日に婚姻届を提出しました。特に狙ったわけではありませんが、ちょうどその頃に再婚しようということになり、亡き父への報告という想いを込めて。
今は毎日が新鮮で、「今日はご馳走だよ~!」とか、なにかと張り切ってしまい、娘から「ママ、ちょっとテンション高すぎじゃない?」と注意されてしまうほど(笑)。でも、仲良く話す夫と娘を見ていると嬉しくて。おかげさまで今、とっても幸せです。
夫と出会ったのは2年ほど前。2013年に移り住んだ大阪でできた友達の一人が、みんなで集うご飯会の席に連れてきたのが、地元で美容室を経営する3歳年上の彼でした。
第一印象ですか? 人見知りだけど、穏やかで感じのいい人だなって。友達の赤ちゃんをあやす姿を見て「こんなに優しい男性ってステキだな!」と感動して、こういう人の彼女とか奥さんになる女性は幸せだろうな、と思ったのを覚えています。
やがて私は彼の美容室へお客さんとして行くようになり、いろいろな話をしているうちに距離が縮まっていきました。彼に惹かれていたけれど、当時12歳で反抗期のまっただ中にいた娘のことが気がかりで、友達のままでいたほうがいいだろうなと考えていたのです。
そんな矢先、一緒に美容院へ行った娘が「ああいう人がパパだといいな」と言うのを聞いて、「交際もアリなのか?」と。出会って半年ほど経過した頃のことでした。
でも再婚に発展するとは思っていませんでした。そもそも再婚願望がなかったというか、新しい冒険に踏み出す勇気がなかったというか。誰かに頼って生きるより一人で家族を支えるほうが確実な気がしていたので、「よーし、頑張るぞ!」と意気込んでいたのですが……。
彼はごく自然に私たちの中に溶け込み、いつの間にか家族同然の存在になっていて。私の母も「彼って、一緒にいると不思議と落ち着くわよねぇ」と言っていましたね。
そんなある日、娘が彼のことをどう思っているか気になって、「ねぇ」って話しかけたら、速攻で「結婚の話でしょ」と切り返されて。私は思わず「ギクッ!」って言葉にしてしまいました。(笑)